ブログ一覧へ戻る

案件管理とは?商談・制作の台帳項目とExcel運用の見直し方

案件管理とは?Excel管理の限界と、ツールに移行すべき5つのサイン

案件管理は、案件を一覧にして、現在の状態と次に必要な行動を追うことです。営業の「提案中」と制作の「確認待ち」では、知りたい情報も完了の意味も異なります。まず案件の単位を決め、担当・期限・参照先をそろえると、一覧から具体的な判断へ進めます。

Excelやスプレッドシートでも始められます。困りごとが出たら、共有方法や入力ルールで直せる問題と、今の環境では満たせない要件を分けて考えましょう。以下の表はコピーして使えるひな型です。金額・日付・作業時間は説明用の架空例で、推奨価格や導入効果を示すものではありません。

案件管理の対象を商談・制作・社内施策に分ける

同じ「案件」という言葉でも、営業商談は受注に向けた判断、制作案件は約束した成果物の引き渡し、社内施策は目的に向けた実行を扱います。案件名だけで一覧を作ると、見込み金額と契約金額、受注確度と制作進捗が同じ集計に入りやすくなります。種別を列に持たせるか、台帳を分けてください。

種別

一覧で答えたいこと

主な状態

完了の例

営業商談

先方と次に何を確認するか

要件確認・提案・意思決定待ち

受注/失注と理由を記録

受注後の制作

成果物がどの工程にあるか

構成・制作・レビュー・引き渡し

合意した成果物の受領を確認

社内施策

計画と実行の差は何か

企画・準備・実施・振り返り

決めた実施範囲と確認を終える

一覧には案件全体の状態を置き、細かな作業は参照先へ分けます。一つの制作案件に原稿・画像・確認依頼が20件あっても、案件台帳を20行に増やす必要はありません。工程の詳細は制作進行管理の管理表につなぐと、案件の俯瞰と日々の作業を行き来できます。

案件台帳に必要な項目とステータスを決める

共通の基本項目は、案件ID、種別、名称、案件責任者、現在の状態、次アクション、次アクション担当、期限、最終の実質更新日、参照先です。案件責任者は全体を追う人、次アクション担当は今ボールを持つ人として分けます。責任者を毎回書き換えると、誰が全体を引き継ぐべきかが見えなくなります。

ステータスには入口と出口を付けてください。「提案中」は提案書を作っている状態なのか、先方へ提出済みなのかで意味が違います。利用者が判断に使う区切りへ絞り、必要以上に細かくしないことが大切です。

状態の例

その状態に入る条件

次へ進む条件

次アクション担当

要件確認中

確認すべき要件を整理した

先方の回答を記録し不足を確認

営業担当

提案提出済み

特定の版を先方に送った

回答または再提案の条件が分かった

営業担当または先方の窓口

制作レビュー待ち

確認用の成果物と確認範囲を渡した

必須指摘への対応と必要な承認が済んだ

レビュー担当

受付時点で情報が不足している案件は、削除せず「受付中」として、何を誰がいつ確認するかを残します。次アクションが空の行は、案件が不要なのか、判断が止まっているのかを責任者へ確認します。

商談と制作を混ぜない記入例を作る

次の記入例では、案件IDをS、Pで区別しています。通し番号の付け方は自社に合わせて構いませんが、一度付けたIDを案件名の変更で使い回さないでください。名称が似た案件を区別し、発注・原稿・請求の記録を結ぶためのキーになります。

ID/種別

状態

次アクション

担当/期限

金額と意味

参照先

S-001/営業商談

要件確認中

先方へ未確定要件を送る

営業A/11月12日

見積予定100万円・税別。未受注

商談メモ

P-001/受注後制作

構成レビュー待ち

構成の指摘を返す

編集B/11月10日

契約金額100万円・税別。売上計上とは別

構成案v2

M-001/社内施策

準備中

会場の条件を確認

運用C/11月9日

予算枠10万円。実績費用は別

施策計画

この3行の金額を単純に足して「売上210万円」としてはいけません。見積予定、契約、予算枠は違う系列です。税の扱い、通貨、集計期間、確定/未確定をそろえ、営業商談と制作を同じ画面に置く場合も表示や集計を分けます。確度を使う場合も、その根拠と定義がない数字を機械的に掛けないようにします。

制作から外部発注が生じる場合は、案件IDを発注管理の台帳にも持たせます。契約金額と発注額、支払実績を一つのセルに上書きせず、何の金額かを追える形にしましょう。

Excel運用の困りごとを機能と運用に分けて診断する

「Excelだから管理できない」と結論を急ぐ前に、どこで困っているかを具体化します。Microsoftの共同編集の説明では、対応版・保存先などの条件を満たす環境で共同編集や履歴を扱えます。ファイルを添付して配る運用と、共有元を決める運用では、同じExcelでも結果が異なります。

観測した問題

頻度/影響の架空例

先に試す改善

追加で確かめる要件

最新版を探す

週3回、合計15分

共有元を一本化し参照先を統一

必要な範囲の変更を追えるか

外部に原価を見せたくない

週1回の共有で毎回編集

共有資料と内部台帳を分ける

役割別の閲覧/編集を制限できるか

集計に転記が多い

毎週2時間

ID・金額の型・集計元をそろえる

出力形式と更新手順が要件に合うか

担当変更で行動が消える

引き継ぎ時に発生

責任者と次アクションを必須化

退任後の履歴/割当が残るか

毎週2人時の集計・転記を4週行うなら、対象作業は月8人時です。ただし移行して8人時すべてが消えるとは限りません。新しい入力、設定、保守、確認の時間も数え、同じ範囲の作業を比べます。行数や人数だけで移行を決めず、問題の頻度・影響・直せる余地を判断材料にします。

一つの案件種別で移行を試し、照合して切り替える

移行を試すなら、一つの案件種別と代表的な案件を選びます。最初に、必須項目が欠けない、権限を守れる、担当を引き継げる、必要なデータを取り出せる、といった合格条件を利用者と決めてください。見た目がよいだけでは、日々の業務に合うかを評価できません。

  1. 案件IDの重複と欠損を直し、状態と金額の意味をそろえる。
  2. 代表案件を移し、件数・担当・期限・金額・参照先を元の台帳と照合する。
  3. 利用者ごとの閲覧/編集、担当変更、出力、復元の手順を試す。
  4. 試行期間中の更新先を一つに決め、二重入力が必要な項目と理由を明示する。
  5. 切り替え日、旧台帳を参照用にする範囲、問題が出た場合の戻し方を合意する。

件数が一致しても、日付が文字列に変わったり、金額の通貨が欠けたりすることがあります。空欄、完了済み、複数担当、外部共有の案件も確認してください。旧台帳は保管方針に従って残し、移行直後に削除して照合できなくなる事態を避けます。

更新・引き継ぎ・アクセスのルールを運用する

切り替え後は、案件が動いた時点で次アクションと担当を更新し、週次では期限超過・担当不明・長く確認していない案件を取り上げます。メモの編集だけで状態が進んだことにはしないで、決定内容、先方からの回答、提出版など、実質的な変化を残しましょう。

引き継ぎでは、現在の状態、未決事項、次の期限、関係者、成果物の参照先をセットにします。部門をまたぐ判断や例外承認はマーケティング組織の役割・RACIの例を参考に、誰が実行し誰が決めるかを明確にします。

よくある失敗は、列を増やすことだけで解決しようとすることです。読まれない項目は目的を確認して減らし、判断に使う項目は入力例と更新担当を付けます。台帳を開いたときに「今の状態」「次に誰が何をするか」「どこで詳細を確認するか」が分かる状態を、まず一つの案件種別で作ってください。

ブログ一覧へ戻る