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プロジェクトマネジメント資格一覧|PMP・P2M・情報処理の違いと選び方

プロジェクトマネジメントの資格を調べ始めると、PMP、情報処理技術者試験、P2Mと複数が出てきて、どれが自分に必要なのか判断がつかなくなります。この3つは競合するものではなく、想定している場面がそれぞれ違います。この記事では、制度としての違いを整理したうえで、どういう状況ならどれを選ぶべきかをまとめます。

※受験料・試験日程・出題形式は変更されることがあります。特に近年は各試験とも制度改定が続いているため、受験を検討する際は必ず各主催団体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

3つの資格の位置づけ

まず全体像です。運営主体と性格が根本的に違います。

  • PMP:米国PMIが認定する国際資格。業種を問わないプロジェクトマネジメントの標準を扱う
  • プロジェクトマネージャ試験:IPAが実施する国家試験。情報処理技術者試験の高度区分の一つで、システム開発が前提
  • P2M:日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施する民間資格。複数プロジェクトを束ねるプログラムマネジメントまで対象に含む

国際資格・国家資格・民間資格という違いは、そのまま「誰に対して有効か」の違いになります。ここが選択の起点です。

PMP|国際的な共通言語としての資格

PMPは、米国に本部を置くPMI(Project Management Institute)が認定する資格です。世界で200万人規模の取得者がおり、プロジェクトマネジメント資格としては最も認知度が高いものです。

制度としての特徴

他の2つと決定的に違う点が3つあります。

  1. 受験に前提条件がある:学歴に応じたプロジェクトマネジメントの実務経験と、所定時間の公式研修の受講が必要です。思い立ってすぐ申し込める試験ではありません
  2. 更新が必要:取得後も定期的に所定の単位を取得して更新する必要があり、維持コストが継続的に発生します
  3. 申込手続きが英語:試験自体は日本語で受けられますが、申込フォームや経験の記述は英語で行います。ここでつまずく人が少なくありません

出題の土台になるのはPMBOKガイドです。ただし現在のPMBOKは、従来のプロセス中心の構成から原則ベースへ、さらにその再統合へと改訂が続いています。試験も定期的に改訂されるため、受験時期によって対策の内容が変わります。

向いている人

外資系企業やグローバル案件に関わる人、海外の取引先とやり取りする立場の人には、最も効果があります。国を越えて通じる資格はこれだけです。

また、業種を選ばない点も特徴です。IT以外に建設、広告、製造、コンサルティングなど、幅広い業界の受験者がいます。システム開発以外のプロジェクトを扱っているなら、情報処理の試験よりこちらのほうが内容が合います。

プロジェクトマネージャ試験|国内IT業界での評価

IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のうち、プロジェクトマネジメントに特化した区分です。高度区分に分類される難関試験で、国家試験としての信頼性があります。

制度としての特徴

PMPとの対比で見ると、性格の違いがはっきりします。

  • 受験資格がない:実務経験の要件がなく、誰でも申し込めます
  • 更新が不要:一度合格すれば失効しません。維持コストがかからない点は大きな違いです
  • 論述式がある:選択式だけでなく、記述式・論述式が課されます。自分の経験を文章で説明する力が問われます
  • 実施回数が限られる:年間の実施回数が少なく、受験機会は多くありません

論述式が課される点は、対策の性質を大きく変えます。知識を覚えるだけでは通らず、自分が携わったプロジェクトを題材に、課題と対応を筋道立てて書けるかが問われます。実務経験がないと書く材料がないため、受験資格はなくても実質的には経験者向けの試験です。

なお、この試験は制度改定の時期にあります。CBT方式への移行と、それに伴う実施時期・科目構成の変更が進んでおり、さらに新しい試験制度への移行も予定されています。受験を考えるなら、IPAの公式サイトで現在の制度を確認することが必須です。

向いている人

国内のSIerやIT企業に所属している人、公共案件に関わる人には、この資格が最も評価されます。国家資格であることが入札や社内評価で意味を持つ場面があるためです。

逆に、システム開発以外のプロジェクトを担当している場合は、出題の前提が合いません。マーケティング施策や商品開発のPMであれば、PMPのほうが実務との距離が近くなります。

P2M|複数プロジェクトを束ねる立場向け

P2Mは、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施する民間資格です。名称はProject & Program Managementに由来し、単体のプロジェクト管理に加えて、関連する複数のプロジェクトを統合的に扱うプログラムマネジメントを対象に含んでいます。

制度としての特徴

レベル別に段階が分かれている点が特徴です。基礎レベルのPMC、中級のPMS、上級のPMRという構成で、自分の経験に応じて入り口を選べます。基礎レベルであれば、実務経験が浅くても挑戦できます。

IT業界に限らず、製造業や建設業でも活用されています。この点はPMPと共通しますが、日本国内の団体が運営しているため、日本の商習慣を前提とした内容になっている面があります。

向いている人

複数の案件を横断して見る立場、あるいはこれからその立場になる人に向いています。事業部単位で施策を束ねる、複数の開発プロジェクトを統括するといった役割です。

また、段階が分かれているため、まず基礎レベルから入って学習の足がかりにする、という使い方もできます。PMPや情報処理の試験が重いと感じる場合の入り口として選ぶ人もいます。

どれを選ぶか|3つの判断軸

難易度や知名度で選ぶと、取得後に活きないことがあります。次の3点で絞り込んでください。

1. 誰に見せるための資格か

最も重要な軸です。資格は、評価する相手がいて初めて意味を持ちます。

  • 海外の取引先・外資系企業 → PMP
  • 国内のIT企業・公共案件の発注者 → プロジェクトマネージャ試験
  • 社内の昇格要件・部門内の評価 → 自社が指定しているもの

3つ目が意外に見落とされます。社内の資格手当や昇格要件で特定の資格が指定されているなら、それが最優先です。人事制度を確認してから決めてください。

2. 扱っているのはシステム開発か

プロジェクトマネージャ試験は、システム開発プロジェクトが前提です。出題される事例も、要件定義からリリースまでの流れが軸になります。

マーケティング施策、商品開発、イベント運営など、システム開発以外のプロジェクトを扱っているなら、PMPかP2Mが適しています。業種を問わない設計になっているためです。

3. 維持コストを払い続けられるか

PMPは更新が必要な資格です。取得時の費用だけでなく、維持のための時間と費用が継続的にかかります。会社が負担してくれるのか、自費なのかで判断が変わります。

一方でプロジェクトマネージャ試験は更新が不要です。合格すれば維持コストがかからないため、費用対効果という観点では有利になります。この差は長期で見ると小さくありません。

よくある質問

Q. 資格がないとPMはできませんか

できます。実務で必須とされる場面はほとんどありません。資格が効くのは、転職市場での評価、社外への提示、社内の昇格要件といった、実力を証明する材料が必要な場面です。日々の仕事の質は資格では決まりません。

Q. 複数取る意味はありますか

想定する相手が複数いるなら意味があります。国内のIT案件と海外案件の両方に関わるなら、プロジェクトマネージャ試験とPMPの両方が活きる場面はあります。ただし学習コストは単純に足し算になるため、まず一つ取ってから考えるほうが現実的です。

Q. 未経験でも取得できますか

PMPは実務経験が受験要件なので、未経験では申し込めません。プロジェクトマネージャ試験は受験資格がありませんが、論述式で自分の経験を書く必要があるため、実質的には経験がないと厳しい試験です。未経験から入るなら、P2Mの基礎レベルが現実的な選択肢になります。

Q. 勉強した内容は実務で使えますか

体系を一度通しで学ぶ価値はあります。自己流で身につけたやり方に名前がつき、抜けている領域が見えるためです。ただし、資格の学習が実務の課題を直接解決するわけではありません。目の前のプロジェクトが回らない原因は、たいてい知識不足ではなく、判断が降りていない、情報が揃っていないといった構造の側にあります。

資格の前に整える環境

資格の学習で得られるのは、共通言語と体系です。実際にプロジェクトが回るかどうかは、状況が見える状態になっているかで決まります。進捗を確認するために毎回聞いて回らなければならない環境では、知識があっても時間が足りません。

特に複数の施策を並行して見る立場では、案件ごとに管理表が分かれていると全体の危険箇所が把握できません。Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理し、複数の施策を横断して進捗を確認できます。

まとめ

  • PMPは国際資格。業種を問わず通じるが、受験要件と更新が必要
  • プロジェクトマネージャ試験は国家試験。受験資格も更新も不要だが、システム開発が前提
  • P2Mは民間資格。複数プロジェクトを束ねる領域まで扱い、レベル別に入り口を選べる
  • 選ぶ軸は、誰に見せるか・システム開発かどうか・維持コストを払えるかの3つ
  • 社内の昇格要件で指定があるなら、それが最優先
  • 各試験とも制度改定が続いているため、受験前に公式サイトで最新情報を確認する

どの資格も、実務経験と掛け合わせて初めて価値が出ます。難易度や知名度で選ぶのではなく、自分が誰に対して何を証明したいのかを先に決めてから選んでみてください。

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