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ユーザビリティ改善の具体例|迷い・入力ミス・やり直しを減らすUI

ユーザビリティの例|良いUI・悪いUIの違いと改善例

ユーザビリティの改善では、利用者が行いたい作業を決め、どこで迷い、何を間違え、どう回復したかを比べます。検索条件を保持する、入力ミスを具体的に伝える、保存状態を示すといった変更は、その作業に合うかを確認して採用します。クリック数が少ない画面でも、判断に必要な情報が足りなければ使いやすくなりません。

利用者とタスクをそろえて画面を比べる

架空の見積サービスを例に、「初めて利用する担当者が、条件を変えた二つの見積を比較して保存する」というタスクを考えます。社内の開発者が最短で操作できるかより、前提知識のない担当者が正しい条件で完了できるかが評価対象です。

画面の美しさ、機能が役立つか、操作して目的を達成できるかは別々に確認します。Nielsenのユーザビリティ解説は、有用な機能と、その機能の使いやすさを区別しています。この区別を置くと、不要な機能を使いやすくするだけの改善に偏りません。

探す・絞る・比較する画面を改善する

検索結果から詳細へ移動し、戻るたびに条件が消えると、利用者は同じ入力を繰り返します。条件を保持し、何で絞っているかを一覧の近くに示す案が考えられます。ただし、以前の条件が残っていること自体に気づけない画面では、別の誤りを生むため、解除方法も必要です。

観察した支障

変更案

確認するタスク

戻ると検索条件が消える

条件を保持し、現在の絞り込みと解除を表示

条件を変えて二つの候補を比較できるか

似たボタンの意味が不明

保存・見積依頼など、実際の結果が分かる名前にする

誤った処理を開始せず選べるか

比較対象が離れた画面にある

同じ単位と条件で並べ、差を示す

金額だけでなく適用条件を確認できるか

「無料で始める」のような文言は、その後の料金条件や手続きと一致しているときに使います。実際は見積依頼なのに、すぐ利用できるような名前を付けると期待のずれが起きます。社内の機能名をそのまま表示するより、利用者が結果を予測できる言葉を試します。

入力と送信で迷い・ミスを減らす

入力欄には、何を求めているか、必須か、どんな形式かを示します。日付や番号を自動変換する場合も、変換後の値が意味を変えていないか確認できるようにします。値が間違っているのに、利用者が気づかず送信できることは、入力時間が短くても改善とはいえません。

観察した支障

変更案

検証のポイント

番号の形式が分からない

欄の近くに形式と入力例を示す

例をコピーした誤送信が起きないか

エラーで他の入力も消える

安全に保持できる入力を残し該当箇所を案内

再入力の量と復帰までの行動

「入力が不正です」だけ表示

対象欄と修正方法を文章で示す

色に頼らず問題を特定できるか

エラー文は利用者を責めず、何を直せば進めるかを書きます。たとえば「開始日より後の日付を選んでください」と関係を示せば、単に赤枠を付けるより修正方法が明確になります。通信エラーと入力エラーも分け、二重送信を避ける状態表示を考えます。

保存・削除・取り消しを安全に設計する

保存後の画面が変わらないと、利用者は失敗したと思い同じ操作を繰り返すことがあります。保存済みの表示と保存先を示し、失敗時には再試行の方法を伝えます。状態の可視化やエラー予防は、Nielsenのヒューリスティックスでも扱われる設計の観点です。

削除では、クリック数を一つ減らすことより、誤操作の影響と回復可能性を優先します。取り消せる下書きの削除と、復元できない契約データの削除では必要な確認が違います。対象名や影響を示し、確認を求める場面を選びます。すべての操作に警告を出すと、重要な警告も読み飛ばされるおそれがあります。

アクセシビリティも同時に点検します。キーボードで操作できるか、ラベルが伝わるか、色以外でも状態が分かるかを確認します。W3Cの解説が示すように、アクセシビリティとユーザビリティには重なりがあります。ただし、見た目の変更だけで適合を認定することはできません。

変更前後の完了・支援・誤操作を記録する

以下は評価を始めるための記入例で、実測結果ではありません。参加者の経験、端末、タスク、成功条件をそろえます。操作中に答えを教えた場合は、無支援での完了と分けて記録します。

項目

架空の評価計画

対象・環境

初回利用者。普段使うノートPC

タスク

人数条件の違う見積二つを比較し、一つを保存

成功条件

指定条件と保存先が正しく、本人が保存結果を確認

観察

迷った場所、誤操作、支援、条件の再入力、回復

時間

説明終了から完了まで。途中で止めた場合は未完了と記録

時間は成功した操作だけを抜き出すと、完了できない人の問題が消えます。完了件数、支援の有無、未完了の理由を先に見て、時間はその条件付きの数字として扱います。同じ人を続けて測ると学習の影響もあるため、変更の効果と混同しないようにします。

改善案を採用する条件を決める

採用判断には、支障の大きさ、観察の確かさ、影響する利用者、実装の負担を並べます。必須項目を削ると後工程の確認が増えないか、保存状態の表示が古くならないかなど、新しい問題も点検します。利用者の要望は重要な手掛かりですが、背景のタスクを確かめてから解決案を選びます。

改善後は同じタスクを再び試し、問題が消えたかと別の問題が生まれたかを確認します。小規模な観察で操作上の支障を見つけたことと、売上や獲得率が改善したことは別の結果です。まず一つの重要タスクに絞ると、変更と評価の目的を共有しやすくなります。

次の検討には、ユーザビリティ評価の組み立て方、導入プロセスの設計、評価指標の設定シートも役立ちます。

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