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Web制作・広告の見積もり比較|工数・追加費用・3年間の費用をそろえる記入例

Web制作・広告施策の見積もりの見方|人月計算の落とし穴と妥当性チェック

見積もりの総額が低くても、必要な移行や運用が含まれていなければ、そのまま安いとは判断できません。反対に、金額が高いことだけで品質が高いとも決まりません。まず対象、数量、支給条件、確認範囲、継続費用をそろえ、分からない項目を質問へ変えます。この記事の価格と工数はすべて架空の比較例で、市場相場や特定会社の実績ではありません。

価格を比べる前に対象範囲と支給条件をそろえる

同じ「サイト制作一式」でも、含まれる仕事は異なります。原稿作成、写真、翻訳、旧データ移行、フォーム、計測確認、公開作業、運用引き継ぎの有無を見ます。ページ数も、共通レイアウトを流用するページと個別設計するページでは工数が変わるため、内訳が必要です。

比較する項目

そろえる条件

不足時の質問

ページ・機能

対象一覧と個別設計の数

同じ30ページを含むか

支給物

原稿・画像・確認担当・提出日

遅れた場合の扱いは何か

移行

件数・整形・URL対応・照合

追加費用と担当は誰か

品質・受入

試験対象・対応環境・証拠

どこまで確認して納品か

運用

期間・作業量・応答条件

上限超過や更新時の料金は何か

対象外は失点ではなく、比較条件として読みます。社内で行う仕事なら必要な稼働を見積もり、別会社へ頼むならその費用を足します。必要なのに担当がない項目を「含むはず」と解釈して、総額だけで選ばないでください。

見積条件は、合意した要件と照らして確認します。要件が未確定なら、その仮定、上限、追加時の単価や変更方法を回答してもらいます。提案の自由度が必要な部分まで同じ実装に固定せず、比較したい成果と制約をそろえることが目的です。

見積行の数量・単価・除外費用から質問を作る

見積行は、作業、数量、単位、単価、小計、含む確認、除外を読みます。「デザイン10」と書かれていれば、10ページなのか10画面なのか、修正やデータ納品を含むかを質問します。「一式」も禁止する必要はありませんが、まとめた範囲を説明できる状態にします。

架空の行

数量・単価

小計

確認する前提

個別レイアウト

3画面 × 80,000円

240,000円

対象画面・修正・納品形式

原稿整形

10ページ × 12,000円

120,000円

新規執筆ではなく整形の範囲

移行作業

一式300,000円

300,000円

対象一覧・画像・URL・照合を含むか

この三行の小計は240,000 + 120,000 + 300,000 = 660,000円です。全体見積ではなく、行の読み方の例です。値引きや諸経費が別にあれば、計算対象と税の扱いを確認します。数量が変わる作業は、増減時の単位と最低料金も見てください。

数量がB2:B3、単価がC2:C3なら、=SUMPRODUCT(B2:B3,C2:C3) で対応する数量と単価の積を合計できます。この例では最初の二行を集計し360,000円です。一式行は範囲が重複しないことを確かめて別に加えます。

計算構文は、MicrosoftのSUMPRODUCTの説明を参照できます。関数は比較条件の同等性や価格の適正さを判断するものではありません。

人月の作業量と人数・納期を分けて読む

人月は作業量の表現で、完成までの月数ではありません。換算に使う稼働日数や、一日の時間は見積前提として確認します。担当者が何人いて、案件にどれだけ配分され、どの作業を並行できるかが分からないと日程は決まりません。

この例だけ1人月 = 20人日と仮定すると、1.5人月 × 20 = 30人日です。担当1人を案件へ50%配分し、すべて同じ技能で連続して作業できると仮定した単純容量計算では、30 ÷ 0.5 = 60稼働日相当になります。30人日を30暦日とも、60稼働日を確定納期とも扱いません。

実際には、休日、レビュー待ち、並行可能性、手戻り、専門担当の空きが影響します。人数を倍にしても、承認や前後関係のある作業が半分の期間になるとは限りません。工数が大きい行は、作業の内訳、役割別稼働、前提となる入力、完了条件を質問します。

追加修正の単価にも、対応時間帯、最低発注量、見積対象の作業、レビュー回数を確認します。単価だけを比べて担当の熟練度や責任範囲を推測せず、提案体制と実施計画に照らして判断してください。

同じ条件へ直した3年間の費用比較例

次は同じ必要機能、移行対象、サポート水準を満たすと仮定した架空2社の36か月比較です。すべて税抜円。Aは初期180万円に移行30万円を追加し月6万円、Bは初期240万円に移行を含み月4万円とします。料金の改定や追加修正は含まない仮定です。

項目

架空A社

架空B社

初期見積

1,800,000

2,400,000

必要な移行追加

300,000

初期に含む

36か月運用

60,000 × 36 = 2,160,000

40,000 × 36 = 1,440,000

外部への支払計

4,260,000

3,840,000

社内工数の仮置き換算

40時間 × 5,000 = 200,000

20時間 × 5,000 = 100,000

支払+社内工数換算の比較計

4,460,000

3,940,000

Aの外部支払 = 1,800,000 + 300,000 + 60,000×36 = 4,260,000円。Bは2,400,000 + 40,000×36 = 3,840,000円。外部支払の差は420,000円です。社内時間を仮に5,000円/時で評価した比較計の差は、4,460,000 − 3,940,000 = 520,000円になります。

社内時間の換算値は意思決定用であり、外部への請求額ではありません。給与や固定費が直ちに同額減ることを意味しないため、現金支払の列と分けます。初期見積だけではAが低く、36か月の仮定ではBが低いという計算結果から、Bの品質や採用を保証することもできません。

契約年数、解約、更新料金、サポート対象、データ持ち出し、追加修正、障害対応を確認し、必要なら12か月や24か月でも再計算します。利用期間が短い場合や、運用範囲が異なる場合は結果が変わります。

広告費と手数料の分母を分けて計算する

広告手数料は、率だけでなく分母を確認します。「20%」が媒体費に対する割合なのか、手数料を含む総額に対する割合なのかで、同じ総予算でも媒体に使える額が変わります。次は税抜総予算120万円で、制作費や最低手数料を含めない架空例です。20%を一般的な料金として示しているわけではありません。

手数料の基準

媒体費

手数料

合計

媒体費の20%

1,000,000

200,000

1,200,000

総額の20%

960,000

240,000

1,200,000

媒体費基準なら、媒体費 × 1.2 = 1,200,000円なので、媒体費 = 1,200,000 ÷ 1.2 = 1,000,000円、手数料 = 200,000円です。総額基準なら、手数料 = 1,200,000 × 0.2 = 240,000円、媒体費 = 960,000円です。

媒体費の定義、税、制作費、計測やレポート費、最低額、返金や未消化分の扱いも確認します。請求書の合計が同じでも、実際に購入するサービスと媒体配分が同じとは限りません。

未確認を残した比較表から選定と発注へ進む

比較表の最後に、未確認事項、必要な証拠、回答者、回答期限を残します。支給作業が未確認、サポート範囲が違う、移行の追加額が仮置き、といった差を解消してから発注判断へ進みます。未知の費用を0円として合計せず、未確定の範囲を表示してください。

候補の選定理由は、価格だけでなく、要件への適合、体制、リスク、運用負担を含めて記録します。採用する見積版と、発注範囲、検収条件、変更時の単価・手順をつなぎます。選定後に追加依頼が出たら、当初条件との差を確認して見積と日程を更新します。

まず比較中の二つの見積から、移行、社内支給、継続費用の三点を同じ条件に直してみてください。総額の差を説明できるようになると、値下げ交渉より前に、必要な仕事を誰が担うかを判断できます。

次の作業に合わせて、発注管理の進め方|発注残・検収・支払いを二重計上しない台帳の記入例、要件定義書テンプレート|記入例・受入基準・変更履歴の作り方、工数管理とは?見積・実績の記録表と差異の計算方法を参照してください。

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