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タスクボード・カンバンボードの作り方|列設計とWIP制限の決め方

Shusaku Yosa

カンバンボードを作ったものの、カードが左端に溢れ、真ん中の列に何週間も同じカードが残っている。こうした状態の原因は、ツールではなく列の設計と同時に進める件数にあります。この記事では、ボードを回すための設計を整理します。

列は作業の状態を表す

最初に決めるのは、列が何を表すかです。

よくある失敗は、担当者や部署を列にしてしまうことです。「田中さん」「制作チーム」といった列を作ると、カードが動かなくなります。作業が進んでも、担当者は変わらないからです。

列は、作業がどの状態にあるかを表すものです。未着手、制作中、確認待ち、完了といった形です。担当者はカードの属性として持たせてください。

列の数は5つまで

細かく分けるほど実態に近づくと思われがちですが、逆です。

列が多いと、カードを動かす回数が増えます。一回の作業で三つの列を通過するような設計だと、やがて動かさなくなります。

目安は5つまでです。これを超えるなら、分けているのが状態なのか、工程なのかを確かめてください。工程を列にしているなら、それはカンバンではなく工程表で管理すべきものです。

待ち状態を列にするか

「確認待ち」を列にするか、カードの状態として持たせるかで迷うことがあります。

判断基準は、そこで詰まることがあるかです。確認待ちが何日も残るのが問題になっているなら、列にして可視化してください。すぐに処理されるなら、列にする必要はありません。

WIP制限の決め方

WIP制限とは、各列に置けるカードの上限です。カンバンの中心にある考え方です。

上限を置かないと、人は新しい作業を始め続けます。結果として、進行中のカードが増え、どれも終わらない状態になります。

最初の数字

進行中の列に対して、人数の1.5倍程度から始めてください。4人のチームなら6枚です。

人数と同数にしないのは、待ちが発生するからです。レビュー待ちや先方の返信待ちで手が止まるとき、別の作業に移れる余地が必要です。

調整の仕方

上限にぶつかる回数で判断します。

毎日ぶつかって作業が止まるなら、上限が厳しすぎるか、上流の工程に問題があります。逆に一度もぶつからないなら、制限が機能していません。

週に一二度ぶつかるくらいが、適切な水準です。

完了の定義を列ごとに決める

カードを右に動かす基準が人によって違うと、ボードは信用を失います。

各列の下に、何をもって次に進めるのかを一行書いておいてください。

  • 制作中→確認待ち:初稿が一通り完成し、自分で見返した
  • 確認待ち→完了:依頼者から問題なしの返事をもらった

これを決めておかないと、完了の列に入ったあとで差し戻されることが増えます。

滞留したカードの扱い

どんなボードでも、動かないカードは出ます。

重要なのは、滞留を見つけられる状態にしておくことです。列を移動した日付が自動で記録されるツールなら、何日止まっているかが分かります。

滞留日数の上限を決めておくと、定例で見るべきカードが絞られます。一週間動いていないものだけを見る、といった形です。

滞留の原因を分ける

止まっている理由によって、打つ手が違います。

  • 他の作業で手が回らない→WIP制限を見直す
  • 他人の返事待ち→待ち専用の列を作る
  • やる必要がなくなった→ボードから外す

3つ目を放置するチームは多いです。やらないと決めたものを残しておくと、ボード全体が実態より重く見えます。

ボードを分ける判断

一つのボードに全部を乗せると、やがて見るのが辛くなります。

分ける基準は、同じ列構成で回せるかです。制作物と広告運用では、作業の状態が違います。同じボードに乗せると、どちらかの列が合わなくなります。

逆に、分けすぎると全体が見えなくなります。一人が日常的に見るボードは、三つまでに押さえてください。

回らなくなるパターン

設計が正しくても、運用で止まることがあります。

多いのは、カードの粒度が大きすぎるケースです。一枚が一ヶ月かかる作業だと、何週間も同じ列に残り、ボードを見る意味がなくなります。

一枚が数日で終わる粒度に分解してください。カードが週に一度も右に動かないなら、粒度を見直すサインです。

よくある質問

Q. WIP制限を守れません

ぶつかったときに、新しい作業を始めるのではなく、詰まっているカードを進めるのが本来の使い方です。守れないのは、制限が厳しすぎるか、上流からの依頼が多すぎるかのどちらかです。

Q. 個人でもWIP制限は必要ですか

個人のほうが効果が大きいこともあります。同時に進めるのは2つまで、と決めるだけで、手をつけたままの作業が減ります。

Q. 緊急の依頼はどう扱いますか

緊急枠を一枚だけ用意する方法があります。その枠が埋まっている間は、次の緊急依頼を受けない。こうすると、すべてが緊急になる状態を避けられます。

Q. 完了したカードはいつ消しますか

週に一度、まとめてアーカイブするのが現実的です。すぐに消すと達成感が残らず、放置すると完了列が膨らんで見にくくなります。

ボードでは見えないこと

カンバンボードが得意なのは、今何がどこで止まっているかを見ることです。一方で、その作業にいくら使って、何が得られたのかは表現できません。

Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。日々の作業はボード、施策単位の金額と成果は別の層で、と分けても二重入力にはなりません。

まとめ

  • 列は作業の状態を表す。担当者や部署を列にしない
  • 列は5つまで。多いとカードが動かされなくなる
  • WIP制限は、人数の1.5倍程度から始める
  • 週に一二度ぶつかるくらいが適切な水準
  • 列ごとに、何をもって次に進めるかを書く
  • カードの粒度は、数日で終わる大きさに分解する

ボードが回らないときは、まず列の名前を見直してください。作業の状態ではなく、人や工程で分けているなら、そこが原因です。

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