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パイプライン管理とは?案件の進捗を可視化して予測精度を上げる

今期の着地見込みを聞かれても、自信を持って答えられない。商談はあるのに、どれが本当に進んでいるのか分からない。こうした状態の原因は、予測の計算方法ではなく、案件を並べるステージの定義にあります。この記事では、パイプライン管理の設計を整理します。

パイプライン管理とは

進行中の案件を段階ごとに並べて、全体の状態を把握するやり方です。受注までの道筋をパイプに見立て、どこに何件あるかを見ます。

目的は2つあります。一つは着地見込みの精度を上げること。もう一つは、どこで案件が止まっているかを見つけることです。

後者のほうが実用的です。予測値は外部要因で外れますが、停滞している案件は手を打てば動くからです。

ステージは顧客の状態で定義する

パイプライン管理が機能するかどうかは、ここで決まります。

多くの組織では、ステージを自社の行動で定義しています。「初回訪問済み」「提案済み」「見積提出済み」といった形です。

この定義だと、営業が動いただけで案件が前進したことになります。見積を出しても、先方に検討する意思がなければ前には進んでいません。

顧客側の事実で書く

ステージは、顧客の状態で定義してください。

  • 提案済み → 課題をヒアリングでき、先方が認めた
  • 見積提出済み → 予算の見通しを確認できた
  • 最終確認中 → 決裁者が誰か分かり、検討の土俵に乗った

こう定義すると、ステージを上げるには顧客から何かを引き出す必要があります。進捗が自社の作業量ではなく、商談の実態を表すようになります。

何段階に分けるか

細かく分けるほど実態に近づくと思われがちですが、逆です。

段階が多いと更新が面倒になり、実態とずれたまま放置されます。更新されていないパイプラインは、ないのと同じです。

目安は4〜6段階です。7を超えるなら、顧客の状態が本当に変わっている区切りかを見直してください。自社の作業工程をそのままステージにしていると、自然と数が増えます。

見るべき3つの角度

パイプラインは、並べて終わりではありません。次の3つを見ます。

段階ごとの滞留日数

各案件が現在のステージに何日いるかを見ます。平均と比べて長いものが、停滞している案件です。

金額や確度より、この指標のほうが手を打つべき先を教えてくれます。滞留が長い案件は、失注しているのにパイプラインに残っているだけのこともあります。

件数と金額を分けて見る

金額だけを見ていると、大型案件1件で全体が良く見えます。その案件が消えた瞬間に今期が破綻します。

件数も並べて見ることで、一件依存になっていないかを確認できます。

入口と出口のバランス

今月入ってきた案件数と、受注・失注で抜けた案件数を比べます。

出ていく数のほうが多い状態が続くと、数ヶ月後に商談がなくなります。今期の数字を見ていると見落とすので、別途確認する必要があります。

確度の扱い

各案件に確度を付けて金額に掛けるやり方が一般的ですが、中身が問題になります。

確度を営業担当の主観で入力すると、人によって基準が違い、合計しても意味を持ちません。楽観的な人と慎重な人で、同じ状態の案件に倍以上の差がつきます。

ステージに確度を紐づける

確度は個人の判断ではなく、ステージごとに固定してください。提案済みなら30%、見積提出済みなら50%といった形です。

値は過去の実績から出します。提案済みの案件が過去1年で何割受注に至ったかを数えれば、それが確度です。

個別の事情を反映させたい場合は、確度をいじるのではなく、コメント欄に書いて別途議論するのが確実です。

更新されなくなる原因

仕組みを作っても、数ヶ月で更新が止まるケースがあります。原因は大抵2つです。

入力した人に戻りがない

報告のためだけの入力は続きません。パイプラインを見て支援が入る、優先順位を一緒に考えてもらえるといった戻りが必要です。

止まっていることを書きにくい

進んでいないことを書くと詰問される、という状態だと、実態とずれた情報が入ります。

停滞を報告したときに、責めるのではなく次の手を一緒に考える。この反応が定着して初めて、正確な情報が上がってきます。

マーケティング側から見るとき

パイプラインは営業のものと思われがちですが、マーケティングにとっても重要な情報源です。

見るべきは、施策ごとの案件がどのステージで止まりやすいかです。

ある施策からの案件が初期段階で多く落ちるなら、集めている層がずれている可能性があります。逆に終盤で落ちるなら、期待値を上げすぎる訴求になっていないかを見直す余地があります。

リード数だけを追っていると、この判断ができません。

よくある質問

Q. 古い案件はどう扱いますか

滞留日数の上限を決めて、超えたら一度失注に落とす運用を推奨します。復活したら新規案件として登録し直せば十分です。古い案件を残したままにすると、パイプライン全体が実態より厚く見えます。

Q. 少人数でも必要ですか

案件数が20を超えたあたりから、頭の中だけでは追えなくなります。それ以下なら、並べることより滞留している案件を週に一度確認するだけでも効果があります。

Q. 予測がいつも外れます

ステージの定義が自社の行動になっていないか確認してください。「提案した」で前進とすると、先方の意思と無関係に案件が溜まっていきます。定義を直すだけで、予測の精度は相当変わります。

Q. ステージを戻すのは良いことですか

良いことです。決裁者が変わった、予算がつかなかったなど、状態が戻ることは実際にあります。戻せない運用にすると、実態とずれたまま前に進んでいきます。

案件の手前を見る

パイプラインに入ってからの進捗は見えていても、その案件がどの施策から来たかは別の場所にあることが多いです。

Xtrategyでは、施策のスケジュールと予算・KPIを同一画面で管理できます。使った金額と成果が紐づいていれば、パイプラインの上流をどこに寄せるかを判断できます。

まとめ

  • ステージは自社の行動ではなく、顧客の状態で定義する
  • 段階は4〜6。多いと更新されなくなる
  • 滞留日数を見ると、手を打つべき案件が分かる
  • 金額だけでなく件数も見て、一件依存を避ける
  • 確度は主観ではなく、ステージと実績から固定する
  • 停滞を報告しても責められない状態が、更新を続ける条件

パイプライン管理で最も効くのは、ステージの定義を見直すことです。まずは現在のステージ名を並べて、自社の行動で書かれていないか確かめてみてください。

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